縦裂FNO

俺はポエマー、すべてイカサマ。

みんないつ大人になったのか

レモンスカッシュとポッキーを買ってコンビニから出ると、アスファルトの焼けた匂いがして初夏も近いのだと悟った。僕はつい先日誕生日を迎えてまた歳をとったが、そこに季節を繰り返す事との関連性があまり見出せない。また夏が来るのなら僕はまた歳をとる。でもずっと昔に存在していた夏のことを思い出すとき、僕は子供には戻らない。季節はなんどもなんども繰り返す。しかし、それは世間から遠く隔離された所で進行していて、僕はいつから自分が大人になったのか知ることができない。

つい数日前、Facebookのプロフィール欄から自分の誕生日を削除した。なぜなら毎度「誕生日おめでとう」とメッシージを飛ばしてくる人がいるからだ。わざわざ時間を割いてそんなメッセージを送ってくれるのはありがたい気もするが、「ありがとう!」と一言、機械的な返事で澄ますのもなんだか気が進まず、かといって自分なんぞに気が効いた返事はできない。だから消した。それにもう学生でもないのだし、そんなやり取りすら必要にないように感じる。昔からの知り合いなんていちいち言葉で確認せずともお互い歳をとっていることなど解っているのだ。

しかし自分の精神が年齢に追いつけない。20代も折り返して後半に差し掛かるというのに、何かを成し遂げた訳でもなく、希薄な人生経験しか持っていないクセに何かを夢見る気持ちも消えず、同世代の結婚なんて遠い世界の出来事なのでは?とすら感じる。そんなことを年上の人に話すと「自分もそうだったよ、でもね、気持なんかより出来事の方が先に来て、あっという間に今になった。いずれ君もそうなる。」なんて言っていたけど、それは嫌だ。僕は気持ちが出来事に追いつかなければ嫌なのだ。何も分からないまま生きてゆきたくない。すべての瞬間を噛みしめたいし、直面する出来事に理解と覚悟が欲しい。だから今の状況がたまらなくもどかしい。僕はいつ大人になってしまったのか、年齢以外本当に大人なのか?それは誰も教えてくれないし、自分自身で理解しなければ一生なにも変わらない。一瞬の永遠を引きのばしたような、そんな悟りの瞬間が欲しい。だから、今年はよく考えよう。よく書こう、よく整理しよう、よく行動しよう。