縦裂FNO

俺はポエマー、すべてイカサマ。

2019-01-01から1年間の記事一覧

Road to Nowhere

記憶が妄想か、それとも思考の断片のようなものか、それらが煙のように蔓延する心地よい世界を自我が直線的に突き抜ける感覚の後は己の目蓋がバサリと開く音、刺々しく飛び込む朝日、いつも通りの眠り足りない感覚、いつも通りの仕事に行きたくないという気…

ここで途切れることもある

ただぼーっと天井を眺めては天地がひっくり返る想像をした。屋根を歩き、空に落ちる。右足が電線に引っかかった僕はかろうじて事なきを得た。 4月になった。日曜日の夕方5時半、春の西日は静かに陰り、部屋は薄暗く、開け放った窓からは犬の鳴き声が聞こえる…

「夜中にひとりで泣いちゃったり」他

1.「夜中にひとりで泣いちゃったり」 自分が理性を離れた瞬間を見つけるのは難しい。言語化される前の、イメージだけが巡り巡る感じ、それを覚醒した意識が捉える前に掴みたい。 鳴り響くアラームの後、5分間のまどろみ。寝ているのか起きているのか、そんな…

社会の窓が開きっぱなし

1. 12月25日、午後13時半。馬喰町駅。馬を喰らう駅と名付けられたここはとても深く、とても薄暗く、湿気は深刻で、あちこちネズミたちが這いずりまわっている。壁は薄汚れ、派手に亀裂が入っており、大きな地震が来れば簡単に壊れるだろう。僕は背中を丸め、…