縦裂FNO

俺はポエマー、すべてイカサマ。

2018-01-01から1年間の記事一覧

犬/蟹/服/猿/露/

犬が死んだ 近所の犬が死んだ。可愛がっていたわけでもないので特段悲しくはない。ただ、放置された犬小屋を見るたびに犬は死んでもうこの世にいないのだということを思い出すから嫌なのだ。 その犬は1年ほど前から目の周りが黒ずみ出したり、明らかに元気が…

これはお前の分

最近見た映画、デヴィッド・フィンチャー監督の『ファイトクラブ』。 Amazonプライムビデオにあったので3日で2回観たり、、 これがまた自分が常々思う事や感じることと見事に合致している作品というか。。 「俺が言いたいのはこれだ!」という作品に出会える…

SSSick

今日も仕事が忙しい。だからずっとヘラヘラしている。暇そうな先輩の無駄話にヘラヘラ、上司の冗談にヘラヘラ、顧客からの電話にヘラヘラ、フリーズしまくるノートPCにヘラヘラ、急に冷え込む朝にヘラヘラ。 遅い時間まで客先に居座る。20時半、宇宙物理学…

僕は空っぽのペットボトルのような人間です

「ペットボトルのような人間」 僕は空っぽのペットボトルのような人間だと、毎週土曜日の朝、溜めこんだペットボトルを捨てに行ったあと思う。ペットボトルのゴミは非常に場所をとる、中身は空洞で空っぽのくせに、そんなのまるで俺じゃねーかと。 たくさん…

Shogyou mujou.

『不幸を避け、幸福を待つ』 年を超すとき、いつも「来年は誰が死ぬのだろう」と考える。少ししてから、「来年はどんな事件が起こるのだろう」と考える。別に不幸を望んでいるワケじゃない、ただの興味だ。これから来る年を考えるときに「来年はどんな嬉しい…

新幹線の車内で

新幹線のぬるぬると滑るように走る感じが心地良い。走りに角というものがまるで無い。そうした穏やかな乗り心地は嫌が応にも眠気をさそうものだけど、なかなか寝付けないのは緊張だとか不安だとか、不快な気持ちがもやもやと胸の中で滞り続けているからだ。 …

創作『幹部たちの死』

1.寝坊と死刑 「オウム真理教の元幹部たち、死刑執行されたな、7人一気に。」 「されたされた。でもなんか不思議な気分だよなぁ、だって子供の頃、麻原がテレビ出たりしての覚えてるぜ。しかも選挙に出たりしてさ、選挙カーの上で変なうた歌って。そんな人た…

孤独死を許すな

最近、自宅の周りのものがどんどん消えてゆく。家から一番近いところにあった自動販売機、古い民家、病院跡地などなど。 そこにあったものがふと消えるというのは不思議な感覚がする。二度とその空間を再現できないという点に於いて、それは生物でいうところ…

飽和するアナログ

ITの仕事をしているとITに関する技術が恨めしく思えてくる。というのも世の中を便利にする為のIT、しかしそれを構築する側としては導入後にシステムを管理しなくちゃならないワケで仕事がどんどん増えてしまうからだ。 ならばシステムを構築したあとに、その…

みんないつ大人になったのか

レモンスカッシュとポッキーを買ってコンビニから出ると、アスファルトの焼けた匂いがして初夏も近いのだと悟った。僕はつい先日誕生日を迎えてまた歳をとったが、そこに季節を繰り返す事との関連性があまり見出せない。また夏が来るのなら僕はまた歳をとる…

鳥の筋肉

先日、昼食をとる時間もないまま仕事をしていたところ、気が付くと時刻は14時近くになっていた。もうこんな時間か、そんなことを意識した途端に空腹は襲ってくる。昼休みも終わったこの時間に社内でネットサーフィンしながらパンを齧るのもどうかと思ったの…

形は無いけどカタチになる

自分の仕事、6割くらいはメールだと思う。とにかく毎日100通以上のメールが来るし、頭を空っぽにして定型文を打ち込み、キーボードの文字が削れて薄れる程にそれらを捌く。そしてある日の昼休み、僕はパンを齧りながらメールチェックをしているときに思う。…

漫画返せ

早稲田松竹で映画を観た帰りのこと。魚喃キリコの漫画が原作の映画『blue』を観た。作品の良し悪しは別として、なんとなく鑑賞後はひとり街を闊歩しながら頭の中で言葉探し。実経験では持ち得なかった感情を映画から得るのだ。それはただの暇つぶしかもしれ…

電気箱

冬場、エレベーターのボタンというのはそこへ行くのを拒むかのように凶器となる。静電気がきまくるという意味で。 一回目、一階から四階へ。壁に備え付けられているスイッチ、④を押すとバチンときた。ただ静電気というより普通に感電だろって程に痛くて僕は…