縦裂FNO

日々、見るもの流れゆく物の例え。

2017年 10月30日~11月5日

10月30日(月)

代休で仕事は休み、3連休。しかし代休と言えどいつも仕事の電話は来るしメールも来る。そんなうかうか昼寝もできない状況を休みと言えるのだろうか。とりあえず朝はいつも通り起きて歯を磨き顔を洗う。そして再びベッドに横になって、鳥の鳴き声やゴミ収集車のガラガラといった音を聞く。そうして「あ、今日休みなんだ」という実感を得る。平日の朝、生活の音は安らぎの象徴であり、罪悪感の象徴でもある。暫くして二度寝の誘惑、今日も働く人たちを想いながら、何事も起こらない日であることを祈る。そして電話は鳴り、メールは届く。今日は休むって言ってましたよね?聞いていたのでしょうか?いや、電話も鳴らずメールも来ないほうが非日常。

夜は新宿でお酒を飲む。普段あまりお酒は飲まないけれど(飲めないけれど)、酔っ払えれば楽しくなれる。記憶は残らなくても楽しかったということだけ覚えていたらそれで良い。もちろん苦しかった記憶のほうが残るのだけど。

 

10月31日(火)

この週は金曜日が祝日。月曜日を休んだので僅か週3日間の出勤となる。たった3日間の出勤、つまりそれは「やる気などありません」ということ。しかし出勤日が少ないということで、いつものように嘘の予定を入れてカフェや本屋でサボっていては仕事が進まなくなる。そうしていろいろなものを押し殺しながら社内に閉じこもってPCを睨み続ける。しかし3連休明けともなれば仕事の進め方も忘れてしまう。やらなければならないことは多いはず、しかしキーボードを打つ手は止まり、ため息のような嘆きばかりが口を突いて出る。

昼休み、ふと後輩のスマホを見ると黒と金のカラーリング。無口でおどおどしてばかりいる彼にしては不思議な色のチョイスだと思った。いや、でも内気な人に似合う色ってなんだろう。

 

11月1日(水)

この日は午後から超大手の誰でも知っている会社での打ち合わせ。驚いたのはその会社の社員がチャラいこと。私服に髭で、耳はピアスの穴ぼこだらけ。大きく開いた胸元からは毛がもじゃもじゃ。胸毛を保持していない自分にはわからぬダンディズム。煙草はきっとアイコス。そんなことを想像しながらも打ち合わせは進む。

 

11月2日(木)

出勤的には週の最終日。この日も社内に閉じこもり。明日から3連休ともあって、いつも以上に仕事は手につかず上の空。頭の中ではマタイ受難曲New Orderの名前は知らない曲がループ。何度も越えたきた筈の週末の苦難を嘆きながら時間が過ぎるのを待つ。無意味に10秒だけ数えたり、グミを噛む回数を数えて夜を待つ。

そして待ちに待った夜は新宿で沖縄料理。狭いカウンター、背後は開け放たれたドアで、吹き付ける風が背中を冷やす。その後は聞いていないにわか雨。それでも明日からの休息がなにもかも気にしないでいいよって気にさせる。

 

11月3日(金)

朝目が覚めると、予定よりも1時間寝過ごしていた。親戚の家へ遊びに行かなければならなかったので、レーシングパンツを身に付け、ビンディングシューズを履いて急いでロードバイクで駆け出す。リュックの中はスニーカーとジーンズと上着とiPadと文庫本。太陽が眩しい環状八号線。11月でも背中は汗でじっとり。

夜は六本木ヒルズで夜景を観る。よく都会の夜景を生き物のように例える人が居るけど、本当にそうだと思う。道路は血管で、走る車は血液。街は生きている。

 

11月4日(土)

親戚と神奈川観光。午前中は江ノ島、しかしいつもより人がまばら。天気も良いのにどうしてだろうと思いきや、先日の台風の影響で岩屋が閉鎖、観光できるゾーンが大幅に縮小されていた。あーあ、せっかくここまで来たのにと思いながらエビフライ定食を食べる。たいして好きでもないエビフライをチョイスしたのはそんなイライラからだろうか、それとも海に来ているのに魚介以外のものを食べるのは無粋だと思ったからだろうか。それにしても江ノ島という場所は本当に変化が無い。5年前に来た時も、3年前に来た時も、去年来た時も、今年も、何も変化がない。時間が止まっているというよりは、「今」という時間だけが重視されているような感覚。でもそれはきっと毎日この街が「はじめまして」の人々を迎え入れているからだろう。カメラを首から下げて「ここが江ノ島か!」と興味深そうな顔でそこへ立つのだ。

 

11月5日(日)

昼まで寝る。昼からは寝る。夜も寝る。明日が来る。