縦裂FNO

日々、見るもの流れゆく物の例え。

ヴィクトル・エリセの映画『ミツバチのささやき』『エル・スール』

 

 ヴィクトル・エリセ監督の映画『ミツバチのささやき』と『エル・スール』を観た。観たといっても3回目くらい(エル・スールは4回目くらいかもしれない)で、要するに何度か見返す程には好きな映画なのである。

 ヴィクトル・エリセは1969年に監督デビューして以来、長編作品は僅か3作品しか撮っていない(短編は4作)。寡作にも程があるだろ、と言いたくなるほど寡作。しかしそれだけ映画の完成度は高い。

 まず、映像の美しさという点においてヴィクトル・エリセ監督の右に出る者はないように思われる。写実的な油絵のような、濃く、温かみのある色彩に加え、計算し尽くされた構図はまるで絵画のよう。さらに、2作ともセリフが少なく極めて静かな映画なので、各シーンが持つ美しさがより際立つ。それともうひとつ、言い方は悪くなるが、おそらくこの監督はロリコンだ。というのも、両作品とも主人公は幼くはちゃめちゃに美しい女の子。まぁ宮崎駿みたいなものだと思えば良いのか。しかし、この美しすぎる幼女が作品に神秘的かつファンタジックな雰囲気を与えているのも事実。

 つまり、めちゃくちゃに美しい幼女がめちゃくちゃに美しい構図や色彩のなかで、どこか儚げな絵画のように佇んで、ファンタジックな空気を出しているわけだ。もはや語らずとも「詩的」な映像。すごく、すごく眠くなる映画だけどお勧め。