縦裂FNO

日々、見るもの流れゆく物の例え。

大崎の赤い目 その2

前回の続き。

 

僕は大崎から五反田へ歩き始めた。

東京の人ならわかると思うが、大崎から五反田までの道のりは徒歩10分程度で人は多くないものの交通量は多くお店も多い。五反田に近づけば近づくほど通りの賑わいは増してゆく。そんな中で「大崎から五反田まで歩くと赤い目がついてくる」などと言われたところで心霊チックな気分になるのは難しいものだ。

そもそもこの話の出所は某匿名掲示板に書かれているだけらしく、一切の詳細は不明である。何かを期待するほうが馬鹿らしい。

 

ただ他に考えることもないので、なんとなく赤い目のことを思う。

車が僕を追い越す。ズアーッという走行音と共にヘッドライトの灯りが僕を横切り前方を照らす。

 

「赤い目って車のヘッドライトなんじゃないの?」と考え少し笑いそうになる。

 

ついてくるというのも謎だ。フワフワ雲のようについてくるのか、物陰から隠れるようについてくるのか、はたまた憑いてくるのか。

そうこうしているうちに大通りに出た。「振り切ったかな」と考える。駅につき、僕は山手線に乗り込んだ。

 

あとはただ家に着くまで自分が赤い目になって大崎から五反田を彷徨う想像をした。身体を持たず、視界だけの存在になるとはなんて悲しいのだろうと思った。